チワワの歴史

チワワの歴史ですが、さまざまな説があります。実はチワワの歴史は分からない事が多いようです。確実に分かっている事は、初めてアメリカに渡ったのは1850年頃の事。アメリカ人がメキシコとアメリカの国境周辺で飼育されていたトーイ犬を持ち帰り、現在のチワワに改良固定しました。アメリカンケンネルクラブに第1号のちわわが登録されたのは1904年です。そしてアメリカで爆発的なチワワブームが起こりました。

日本に入ってきたのは戦後、進駐軍将校がペットとして持ち込んだのが最初だと言われています。人気が出始めたのは1970年代です。小型犬ゆえの飼育のしやすさから、2006年のジャパンケネルクラブの登録頭数は約8万6千頭とダックスフントに次ぐ2位という人気になっています。特にロングコートは若い女性に人気が高いのです。

メキシコの先住民族が飼っていた?

チワワのルーツとして一番メジャーな説とされているのが、9世紀頃、現在のメキシコに住んでいたトルテカ族が飼っていた「テチチ」という犬です。それは「ちっぽけではないが小さめで、がっしりとした骨格と長いまつげを持ち、吠えない犬であった」と言われています。このテチチの起源については全く分かっていませんが、その当時のものとみられるテチチの彫刻には現在のチワワの特徴が多く見られます。

トルテカ族の後にメキシコを支配したアステカ族にとって、テチチは神の使いである、富裕層が所持するテチチは高貴な存在とされました。特にブルーコートは神聖視され、レッドコートは神への生け贄のため火葬にされていたという伝説もあります。赤犬を燃やして灰にすると、人間の罪が犬に乗り移ってその罪は浄化される、とされていたのです。一族の長が死んだ時は、生きたまま副葬される習慣もあったようです。

そしてその後スペイン人がメキシコを侵略し始め、肉類に飢えていた彼らが犬を食用としたため、アステカ族はその飼育を止めてしまったと言われています。その後奴隷となったインディアンたちは、神聖であるはずのテチチを食用のために繁殖したとも、湯たんぽ代わりに抱いて眠っていたとも、飼育されなくなったテチチはそのまま野生化してしまったとも伝えられています。

中国人によって小型化された?

チワワの起源は中国にある、という説もあります。

中国人の祖先は、盆栽やチャボや金魚など、動植物を観賞用に小型化する才能に長けており、それがブームとなっていた時代がありました。その時代、中国で小型化した犬を、メキシコに移住した中国人(アステカ族の祖先はアジアから渡米したと言われています)が持ち込んでテチチとなったと言うのです。

また、中国人が小型化した犬を、スペイン人がフィリピン経由でメキシコにつがいで持ち込んだと言うちょっと違う説もあります。1885年頃にはメキシコシティーの裕福層に飼われていましたが、その後、中国人の移民がチワワ州と隣接するアメリカ・テキサス州に持ち込み、それをアメリカ人ブリーダーが引き取って、現在のチワワに改良した、というものです。

他にも、アジアからシベリアにわたってきた無毛犬(チャイニーズ・クレステッド・ドッグ)とテチチを掛け合わせてチワワか誕生した、という話もあります。また、当時中国からは相当数の小型犬が輸入され、多くの中国人が移民としてメキシコに渡っています。メキシコで中国移民が小型犬を掛け合わせて犬を作ることは想像に難くなく、テチチに何らかの手を加えたのではないかとも言われています。現にメキシコでは小型犬の総称を「中国犬」と呼ぶそうです。

いずれにしろ19世紀頃には、アメリカ・メキシコ国境付近で、かなりの数のチワワが飼育されていたと言う事は確認されています。

もともとはヨーロッパ?

さらに、チワワはヨーロッパをルーツとする、という説もあります。この説が一番合理的であるとも言われています。これは、チワワに似た小型犬が出現したのは古代エジプトであり、この後地中海でチワワは栄えたと言うものです。現にエジプトの遺跡から、チワワの特徴であるモレラを持つ小型犬の骨が発見されています。

紀元前600年頃、チワワは北アフリカからカルタゴ人によってマルタ島に連れてこられ、ポケット犬として知られるようになりました。チワワは地中海の各地に数百年の間、比較的変化することなくその原形を留めていたと言われています。1841年にマルタ島がイギリス領となったのを機に、チワワはイギリス本土へ渡り、ヨーロッパに広がるのです。さまざまな人がチワワの姿を絵や文献に残していますが、それらは現在のチワワの特徴をよくとらえています。ある本では「マルチーズ・テリア」とも紹介されており、システィナ礼拝堂にあるボッティチェリのフレスコ画にも描かれ。少年に抱かれる小さなクリーム色の犬がチワワであると言う人もいます。そして、スペインの王室で飼われていたという記録も残っていることから、スペイン人の植民者によりメキシコに渡ったのだろうと推測されています。

どの説を信じるかは・・・

さまざまな説を紹介してみましたが、どの説も憶測に過ぎず、どれも真偽のほどは定かではありません。今もその起源と歴史についてははっきりと分かってはいないのです。しかし、どの説においても、いつの時代も、チワワが愛玩動物として人々に愛されていたのは間違いないでしょう。